ヤミ米業者 vs. 農協 その5
潟東村の倉庫から運び出されたコメは、いったん北海道に渡りながら買い主のキャンセルにあい、再度、新潟へ。
そして、公然ヤミ米業者として有名な川崎磯信さんが引き取ることになり、富山へと運ばれていきました。
コメ業者側の実力行使の末、倉庫内にあったコメは、よりによって「食糧庁の天敵」である川崎さんのもとへ入ったのです。
なんとも皮肉な結末です。
しかし現場では、その後も監視態勢がとられ、緊迫した状態がつづいていました。
大騒動の現場となった細山商店の倉庫を眺めながら、地元農民と立ち話をしていると、近くで農作業をしていた人達も寄ってきて、私の周りにいつしか人の輪ができました。
みんな土地の人。
内情に詳しい人ばかりです。
そればかりか、問題となった細山商店にコメを売ったという人までいました。
その人の話によると、細山商店は3類のコメを、1俵(60kg)あたり2万3000円で買ってくれたそうです。
同じコメを農協に出した場合、政府米にしかならず、1万6500円にしかならないといいます。
農民がいうには、この近辺では収穫直後の93年δ月上旬時点ですでに、農協とヤミ米業者の間の買い入れ価格には1俵あたり5000円の差がついていたそうです。
この差はその後大きくなる一方です。
収穫量が300俵ほどといいますから、この差はとても大きいのです。
そして、この近辺の農家に出没するヤミ米業者は、問題となった細山商店だけではなく、複数の業者なのだともいいました。