ミケネ文明の発見 4
エーゲ海の周辺幾は、地形も気候も似ています。
小アジアの西岸地帯は、背後の広大な中央高地によって、またギリシア半島は山脈によって、大陸内部との日常交通は阻まれています。
これに反して、エーゲ海側は海岸線が発達していて港をえるのに不自由はありません。
それでエーゲ海の周辺地域は海にむかって開かれています。
エーゲ海の南の境はクレタ島ですが、この島についても同じです。
しかもこの海は多島海の別名があるように、多くの島が点々と散っていますから、初歩の航海にも容易です。
いったい海といえば、交通の妨げになる場合が多いですが、ここでは周辺地域を結びつける働きをしています。
エーゲ海は古代の航海術の揺り篭であり、訓練場でした。
そしてこの海上の道こそは、エーゲ世界の繁栄の道だったのです。
エーゲ世界は地形と気候に共通性をもっています。
地方差はあるけれども、概して山が海の近くに迫って山地が多く、平野は小さいのです。
しかも雨が少ないから地味がやせています。
それでエーゲ世界は、古代東方やインダス流域のように、農耕による収穫を輸出して富を蓄積することはできません。
ところがこの貧弱なエーゲ世界にも有利な生業が興ってきました。
雨が少なく多熱で砂地がちの地域によく育つのがオリーヴとブドーです。
これらから作る油と酒は余分にできます。
この余剰物資を輸出して他の物資と交換すれば、富がえられます。