ヤミ米業者 vs. 農協 その7
「国や農協のいうとおりにやっていると、貧乏になるんだよ。
正直者がバカを見るのさ。
俺も農協の理事をやっていたときは、ヤミ米業者とつきあわなかったが、今はもう……」
農民の舌鋒は鋭くなる一方でした。
誰もが、農政とその忠実な代行者である農協へのつもりつもった不満をぶちまけていました。
そして、ヤミ米業者を取り締まろうと、昼夜を問わず奮闘している食糧事務所の職員に対しては、敵意さえ抱いているようでした。
「しかし、富山の大将、大したもんだね。細山のコメ、買ったんだって」
「ああ、川崎さんでしょ。ヤミ米屋の」
「そうそう、川崎の大将。すごいもんだ。
そのうち、こっちにやってきて、食糧庁が今、見張ってる倉庫ごと買うなんて、いいだすんじゃないか。
アッハッハッハッ」
私達の立ち話は、こんな冗談でお開きとなりました。